なんと言われようとも、僕の「現物主義」は揺るがない
僕は所謂「保守」である。
まあ、保守と言っても、過激派とか極端な思想を持っているわけではないが。
「変わらないものを好む」という点で、保守と言っている。
僕の祖母は、偏屈者だ。素直の対極に位置し、頑固者である。それと同時に、生粋のリアリスト。僕の短い人生の中で、最もクセの強い人が祖母である。
そんな祖母を僕は、大変尊敬している。僕は、俗に言う「お婆ちゃんっ子」であり、祖母の助けなければ、今この様な生活は送れていないだろう。
僕のものの考え方には、祖母が大きく影響しているように思う。
先述したとおり、祖母は「リアリスト」である。
決して楽観することなく、冷静に物事を見極める。
そんな祖母は、驚くほどに「現物主義」である。
キャッシュレス化が進むこのご時世。クレジットカードだの何だのと世の中が便利になっていく中にあるが、祖母はそういった類のものを持たない。
「震災などで停電したら、そんなものは直ぐに使えなくなる」と言い、家には常に、現金100万円程が用意されている。峰不二子ばりの現金至上主義者だ。
僕は、祖母のことを「行き過ぎ」だとは思っていない。常にそういった事態を想定し、リアルを見つめる彼女を尊敬している。
現物主義であり現実主義者である祖母の影響を受けいている僕は、言わずもがな現物主義者である。
やはり、手元に現金がなければ不安になる。
電子書籍を買うつもりはない。積ん読になっても、本棚に実物がなければ気が済まない。
ますますハイテクになっていくこの時代、現金がマイノリティになるのは必定だろう。北欧では既に、現金が廃止になっていると聞く(ネットで見た情報なので真偽は定かではない)。
その時代にあって未だに進んでいない僕を、「時代遅れ」と言う輩もいるだろうが、なんと言われようとも、僕の「現物主義」は揺るがない。
言葉だけでは伝わらないから、チップなどで気持ちを表す。
抽象的な議論よりも行動で示せとは、よく言われることである。
「モノ」でなければ不安になる。具体的でなければ嫌になる。
難儀な考えを持ってしまった。
しかし、祖母はしっかりと自分をもって、凜凜しく生きている。あんなに自分を貫いている人には、なかなか出会わないだろう。
僕も、しっかり自分をもって生きていこうと思う。
そして、今日も今日とて、Amazonで「代引き手数料」を取られる僕であった。